狂牛病は人災である!~食の安全を守るためには~
アメリカ産牛肉の輸入が解禁され、先日牛丼屋に長い列ができていました。そんなに待ち望んでいた人が多かったのかと驚きましたが、本当に大丈夫なのか?と不安はありますよね。
人類は昔から牛肉を食べているけれど、そもそも狂牛病ってなんで発生したんだろう?
その疑問は、先日聞いた青山学院大学教授の福岡伸一先生の講義で解消されました。
「食品リスク論の正体―BSEから見えるもの―」と題し、狂牛病という事件をきっかけに、私たちが食べるということは何を意味するのか…を問いかけ、人が食べることのメカニズム、狂牛病が起こった経過、食の安全を守るためにどうするべきか、とてもわかり易く興味深い講義でした。
牛の赤ちゃんは人間と同様、母乳から免疫物質を取り入れるために、消化管が発達していないが、英国では生まれてすぐに母親から隔離してしまう。そしてミルクの代わりに安い飼料を与えた。
安い飼料とは…家畜の死体から作った肉骨粉!その死体の病原体が、未発達の消化器官から子牛の体に入り込み狂牛病が生まれた!というわけです。
そもそも肉骨粉製造は英国では一大産業であり、1920年代から盛んでしたが、1980年の原油価格高騰(石油ショック)によって、肉骨粉の製造工程が簡略化された。つまり、それまで2時間死体を煮ていたところを30分にする、乾燥時間を短くする、などにより病原体が生き残ることになってしまった。
実際、潜伏期間5年を経て、英国での狂牛病発生第1号は1985年。原因が判明した1988年から英国での肉骨粉の給餌は規制されたものの、その分外国に輸出されてしまった。そして世界に広まった!
そもそも牛は草食動物だったのに肉食に変え、病原菌のある飼料を与えた。つまり人間が狂牛病を作った、人が牛を狂わせた!と言えます。
これまで英国では狂牛病で160人が死亡し、潜伏期の人が数千人いるそうです。食のリスクを考えたときに、たった160人の死者とするべきか…。日本の狂牛病が28例であることを、たいした問題ではないとすべきか。
どんなリスクでも見過ごせないものがある。ましてや毎日私たちが口にする食品であり、その危険は消費者に転嫁されているのですから。
一億頭いるといわれる牛の0.5%しか検査していない、肉骨粉の製造は継続しているなど、狂牛病に対する米国の対応は、日本に比べて非常に甘いもの。これからは食べたくなくても知らずに口にすることもあり得ます。
この危険を防ぐ方法は、牛を正しく育てること。そのためのコストは当然かかるけれど、食の安全を守るためには当然です。
結局人間に大きなリスクがかかることを人間がやるっていったいなんでしょう。利益を得るものはいったい誰か?私たち消費者も賢くならなければいけません。
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コメント
飲食店を営んでいます。
つい先日、毎年一回の保健所による講習会が
行われました。
アメリカからの牛肉輸入再開の直後だったので、
何らかの見解が聞けるかと期待したのですが、
何も触れられず、質問タイムも無かったので
問いかけることも出来ませんでした。
行政は、何か起きる前に予測して注意するのが
役目だと思うのですが・・・。
投稿: 橋本 | 2006年9月24日 (日) 23時46分